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2023.08.25

コラム

骨粗しょう症!?気になる対策や原因を解説

こんにちは。
愛知県安城市にある松井整形外科です。
今回は「骨粗しょう症」について書いています。ご参考になれば幸いです。

✓読者の悩み
・そもそも骨粗しょう症って何?病気なの?
・骨粗しょう症の原因って何?
・骨粗しょう症は何に気を付ければ良い?

こういったお悩み、疑問にお答えします。

✓本記事の内容
1.骨粗しょう症とその原因とは
2.骨粗しょう症の生活への影響
3.骨粗しょう症への対策

この記事を書いている僕は、リハビリテーションの国家資格である作業療法士として15年の経験を持ち、現在も毎日リハビリテーションを実施しています。

こういった僕が、解説していきます。

1.骨粗しょう症とその原因とは

「骨粗しょう症」、一度は耳にした方もいらっしゃると思います。既にそう診断されている方も多いのではないでしょうか。僕の印象ではありますが、この「骨粗しょう症」はあまりその影響を気にしていない、自分にはあまり関係ないと思っている方が多いように思います

しかし、「骨粗しょう症」も病気のひとつ。正しい知識と対策をすることで、ご自身の生活を守ることになります。

改めて「骨粗しょう症」とはどういった病気なのか⁉見ていきましょう。

※1
症状
骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。
骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。

原因と病態
からだの中の骨は生きています。同じように見えても、新たに作られること(骨形成)と溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることでおこり、骨がスカスカになってきます。骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。

原因としてはこれら以外にも、日頃の食事や栄養バランス、運動習慣の有無、過度の喫煙や飲酒など、生活習慣も大きく関係することがわかっています。

2.骨粗しょう症の生活への影響

「骨粗しょう症」は病気のひとつですが、この病気の真の怖さは「骨折」です。

転ぶことでの「骨折」はもちろん、何にかにぶつかったり、身体を捻ったり、物を引っ張ったりなど、ちょっとした弾みで「いつのまにか骨折」してしまいます。状態や程度にもよりますが、常にこのリスクを想定した生活は大変になってきます。

もし実際に骨折した場合は、ご高齢であるほど、その後の生活に大きな支障をきたす可能性も高くなります。お若い方でも一時的な生活への影響は免れません。

ですが安心してください。適切な対策や工夫を行うことで、「骨粗しょう症」への予防が期待できます。

3.骨粗しょう症への対策

予防のために出来ること

・カルシウムを十分にとる
・ビタミンD、ビタミンKをとる
・タンパク質の摂取を心がける
・できれば禁煙
・アルコールの量を控えめにする
・運動をする
・日光浴をする

栄養面など生活習慣にもふれていますが、選んでほしい食材、喫煙やアルコール摂取に関して一部解説します。

カルシウム

カルシウムは骨を構成する必要不可欠な栄養素です。
牛乳ヨーグルトなど吸収率も高い乳製品
しらすししゃもなどの手軽に食べられる小魚
豆腐納豆など栄養価が高い大豆製品
青菜野菜など緑黄色野菜

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムと一緒に取ることで骨密度の上昇効果が期待できるといわれています。
サンマサバなど青魚
干しいたけなどきのこ類

ビタミンK

ビタミンKは骨の形成を促進する働きがあります。
チーズヨーグルト、納豆などの発酵食品
緑黄色野菜

タンパク質

鶏肉牛肉など肉類
サバなど魚類
※とくに卵は良質なタンパク質の摂取には大変優秀な食材です。

喫煙とアルコール

過度のアルコールは、カルシウムの吸収を阻害します。喫煙に関しても、胃腸の働きを悪くしてカルシウムの吸収を抑制してしまいます。1日あたりのアルコールの適量目安です。
ビールは中ビン1本(500ml)
日本酒は1合(180ml)
焼酎(35度)2/5合(約70ml)

重要なこと

「骨粗しょう症」の予防で重要なことは、まずはの骨の状態を確認することです。

自分には何が必要なのか?その判断は医師に相談されるのが一番です。

ご自分で運動を取り入れている方も多くいらっしゃいますが、骨へ適切な刺激を与えるためには、ウォーキングだけではなく筋トレが必要な場合もあります。また、運動だけではなく、注射や内服薬が必要なこともあります。
また、『骨粗鬆症治療薬 クリニカルクエスチョン100』でもこのように記載されています。

※2
骨粗鬆症に関する骨折を抑制するうえで、栄養指導・薬物療法・運動療法は三位一体で、運動療法はその1つの柱として重要です。その意義は、骨密度維持・増加・、筋力強化、転倒防止などにより骨折抑制に寄与することにあります。年齢、活動性、転倒リスクなどを考慮に入れて処方内容を選択する必要があります。

やはり、より効果的な対策を行うためには、まずは医療機関を受診し、今の骨の状態を確認することです

お近くの整形外科を受診し、現在の骨密度を検査することで状態に応じた指示をもらうことが良いと言えます。

当院での検査、治療

当院では、骨粗しょう症が疑われる方が来院された際には、先ず骨粗しょう症に起因する骨折(大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折など)を過去にしたことがあるかを確認します。その後、骨密度検査を施行し、その結果骨密度が低値である場合は採血を行いどのような原因で骨粗しょう症になっているかを調べるようにしています。

過去の骨折の有無、骨密度、採血結果や内科疾患(慢性肝疾患、慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、ステロイド使用経験など)を総合的に考慮して、たくさん有る骨粗しょう症の薬の中からその方に必要な薬を選択します

投薬後も定期的な骨密度測定、採血にて薬の効果判定、副作用の有無を確認しながら治療を継続していきます。

ご自身の骨の状態が気になる方は、いつでもご相談ください

※1「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp) 2023.8.25
※2「CLINICAL QUESTION 骨粗鬆症治療薬 クリニカルクエスチョン100」p64 運動療法と食事療法Q36「骨粗鬆症における運動療法の意義と注意点について教えてください」 A文 2023.8.25

まとめ

この「骨粗しょう症」はあまりその影響を気にしていない、自分にはあまり関係ないと思っている方が多いように思います。しかし、「骨粗しょう症」も病気のひとつ。正しい知識と対策をすることで、ご自身の生活を守ることになります。

「骨粗しょう症」の怖いところは、「骨折」のリスクが高まるところです。気を付けていたけど「いつのまにか骨折」していた、ということもあります。特に年齢を重ねてからの「骨折」は、ご自分らしい生活に大きな影響を与えます。

当院としては、重症化する前になるべく早く対策をしてほしいと常々思っています。今の症状にお困りであれば、いつでもご相談ください。早期改善と予防のために、「今」のあなたに必要な医療を提案』をモットーに、地域の皆様のサポートをさせていただきます。

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