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2023.08.10

コラム

何でこんなに腰が痛い?受診すべき状態9選とよくある整形外科的な原因疾患【腰痛】

こんにちは。
愛知県安城市にある松井整形外科です。
今回は腰痛に関することを書きました。

■読者の悩み

・腰痛はどのタイミングで受診すべき?
・何でこんなに腰が痛い?考えらる腰痛の原因ってなに?

これらのお悩み、疑問にお答えします。

※腰痛以外の症状に不安がある方はこちらもチェック

■本記事の内容
1.直ちに受診すべき腰痛症状 腰痛のレッドフラッグとは
2.よくある整形外科的な原因疾患のご紹介

この記事を書いている僕は、リハビリテーションの国家資格である作業療法士として歴15年。現在も、現役で毎日リハビリテーションを実施しています。

こういった僕が、解説していきます。

1.直ちに受診すべき腰痛症状とは

腰痛が生じる原因疾患は多くありますが、「非特異的腰痛」といって、レントゲンやMRIを撮っても原因がわからない、生活習慣や筋肉の硬さなどが要因となる腰痛があります。これらは生活習慣の工夫や運動などの指導で対策を行うことが多いです。

ですが、そうではない、同じ腰痛でも見逃してはいけない重篤な原因疾患が隠されている状態もあります。少し怖い表現になってしまいますが、腰痛に伴い、以下のようなサインや状態に当てはまる場合は、直ちに医療機関を受診された方が良いと言えます。

日本整形外科学会と日本腰痛学会が監修している腰痛診療ガイドラインでは、以下の9項目が腰痛のレッドフラッグ(危険信号)とされています。

・発症年齢<20歳または>55歳
・時間や活動性に関係のない腰痛
・胸部痛
・癌、ステロイド治療、HIV感染の既往
・栄養不良
・体重減少
・広範囲に及ぶ神経症状
・構築性脊柱変形
・発熱

引用)腰痛診療ガイドライン2019改定第2版 p23 表1 重篤な脊椎疾患(腫瘍、感染、骨折など)の合併を疑うべきred flags(危険信号)2023.8.8

一言に腰痛と言っても、整形外科的な疾患の他にも他臓器の疾患などが原因の場合もあります。早めに医療機関へ受診され、レントゲンやMRIなどの検査方法で正しく原因究明をすることが重要となります

■2.よくある整形外科的な原因疾患のご紹介

突然腰に強い痛みが生じるいわゆるぎっくり腰や、しびれを伴う椎間板ヘルニアなどは聞いたことがあると思います。また、尻もち転倒で起こりやすい腰椎圧迫骨折も有名です。これらを含めて、腰痛を引き起こす原因となる代表的な整形外科的な疾患をご紹介します。

急性腰痛(ぎっくり腰)

いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。痛みの原因はさまざまで、腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかってけがしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いと考えられます。

「ぎっくり腰」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp) 2023.8.8

 

腰部脊柱管狭窄症

この病気では長い距離を続けて歩くことができません。もっとも特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行(かんけつせいはこう)です。腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、すこし前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。

進行すると、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出がわるくなったり、逆に尿が漏れる事もあります。

「腰部脊柱管狭窄症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp) 2023.8.8

 

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板は線維輪と髄核でできていて、背骨をつなぎ、クッションの役目をしています。その一部が出てきて神経を圧迫して症状が出ます。椎間板が加齢などにより変性し断裂して起こります。

悪い姿勢での動作や作業、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。

「腰椎椎間板ヘルニア」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp) 2023.8.8

 

腰椎圧迫骨折

背骨が潰れるように骨折する腰椎圧迫骨折は、高齢者の方では急性腰痛の原因として多い疾患の一つです。尻もちをつく転倒が原因で起こってしまうことが多いですが、実は骨粗鬆症との関係も大きい骨折です。閉経後の女性に多い骨粗鬆症性は、尻もち転倒だけでなく、身体を捻ったり、下から物を持った時など、軽い動きでも骨折する可能性があります。

脊柱側わん症

学校検診で左右の肩の高さの違いや、肩甲骨の高さの左右差を指摘され発覚することの多い疾患です。指摘された場合は、整形外科でレントゲン撮影を行い背骨の曲がりの程度を確認することが重要です。その曲がりの程度(コブ角)によって経過観察や装具療法、手術の中から治療方針を決定します。小児期の側わん症は症状が進行することがあるため、側わん症を指摘された場合、整形外科への受診をお勧めします。

腰椎分離症(腰骨の疲労骨折)

成長期の子ども達の腰痛に多い疾患です。レントゲンだけではなくMRIを撮影して正しく診断することが重要です。腰椎分離症の発見が遅れると将来の腰痛リスクを高める恐れがあるためお子様に腰痛が見られる場合には、MRIでの検査をお勧めしています。

こんな症状に身に覚えはないですか?

・尻もちをついてから腰が痛い
・腰やお尻、脚が帯状に痛い
・脚がしびれて長く歩けない
・物を持ち上げたり立ち上がったりするときに腰が痛む
・スポーツをしている子どもが腰を痛がる
・腰の痛みに加えて、脚の筋力が低下したと感じている
・背骨が曲がっているように思う(左右の肩の高さが違う、背中の高さに左右差がある)

実は気になっていた・・そういった方がいらしたら、なるべく放置はせず、早めに医療機関に相談されてくださいね。特に急な痛みやしびれを伴う症状は、ご自身での対策や生活での工夫をされる前に、まずは医療機関への相談から。医師の指示のもとで、対策や治療を行っていくことをお勧めします。

ちなみに、当院においても同様の対応を行っています。正しい原因究明のために、レントゲンやMRI等を活用しながら、適切な診断と治療提案が出来るよう日々心掛けています。いつでもサポートさせていただけます。

■まとめ

腰痛はスポーツを行う子供から中高年層の方まで、誰しもが悩まされる可能性が高い症状です。何事にも言えることではありますが、早期改善がやはり吉です。

繰り返しになりますが、一言に腰痛と言っても、整形外科的な疾患の他にも他臓器の疾患などが原因の場合もあります。レントゲンやMRIなどの検査方法で正しく原因究明をすることが重要です。

日頃のちょっとした工夫、簡単なストレッチや運動も大切ですが、それは中長期的なお話です。今回ご紹介した状態や症状に覚えのある方は、まずは医療機関への相談からです。

当院としては、重度化する前になるべく早く対策をしてほしいと常々思っています。今の症状にお困りであれば、いつでもご相談くださいね。『早期改善と予防のために、「今」のあなたに必要な医療を提案』をモットーに、地域の皆様のサポートをさせていただきます。

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