2025.04.28
コラム
中高年の姿勢悪化について
こんにちは。
愛知県安城市の松井整形外科です。今回の記事は、『姿勢』がテーマです。
「最近、なんだか背中が丸くなってきた気がする…」「若い頃に比べて姿勢が悪くなったなぁ」と感じることはありませんか?
姿勢が悪くなると、見た目の印象だけでなく、肩こりや腰痛、ひいては日常生活にも支障をきたす可能性もあります。今回は、中高年以上の姿勢が悪化する原因を整形外科的な視点も踏まえながら解説します。
姿勢が悪化する主な原因
姿勢が悪くなる原因は一つではありません。様々な要因が複雑に絡み合って、徐々に姿勢を崩してしまいます。ここでは、主な原因をいくつか解説していきます。
筋力低下
年齢とともに、全身の筋肉量は徐々に低下していきます。特に、姿勢を維持するために重要な背筋や腹筋といった体幹の筋肉が衰えると、体を支えきれずに背中が丸まりやすくなります。
筋肉は骨格を支えるコルセットのような役割を果たしています。筋力低下は、椎骨(背骨の骨)にかかる負担を増加させ、椎間板への影響や関節の変形を助長する可能性もあります。
関節や靭帯の柔軟性低下
長年の生活習慣や運動不足により、関節や靭帯の柔軟性は低下します。関節の動きが悪くなると、姿勢を保つために無理な体勢をとってしまい、猫背などの不良姿勢につながることがあります。
関節の可動域制限は、特定の部位に過度な負荷をかけ、関節痛の原因となることがあります。靭帯の柔軟性低下は、関節の安定性を損なう可能性も考えられます。
骨密度の低下(骨粗鬆症)
特に女性に多い骨粗鬆症は、骨がもろくなる病気です。椎骨が圧迫骨折を起こしやすくなり、背骨が変形して身長が縮んだり、背中が丸くなったりすることがあります。
骨粗鬆症による椎骨の変形は、姿勢の悪化だけでなく、慢性的な背部痛の原因となることも少なくありません。
加齢による椎間板の変化
背骨の骨と骨の間にある椎間板は、クッションのような役割をしていますが、加齢とともに水分が失われ、弾力性が低下します。背骨全体の弯曲が変化し、姿勢が悪くなることがあります。
椎間板の変性は、神経の圧迫を引き起こし、坐骨神経痛などの原因となることもあります。
生活習慣
長時間のデスクワークやスマートフォン、タブレットの使用など、前かがみの姿勢が続く生活習慣は、猫背を助長する大きな要因です。また、運動不足も筋力低下や柔軟性低下につながり、姿勢の悪化を招きます。
その他
過去の怪我や病気、精神的なストレスなども姿勢に影響を与えることがあります。
姿勢悪化を改善・予防するための対策
姿勢の悪化は、日々のちょっとした心がけと運動習慣で改善や予防が可能です。
体幹トレーニング
プランクや腹筋運動、背筋運動など、体の中心部分の筋肉を鍛える運動は、姿勢を維持するために重要です。
ストレッチ
全身の柔軟性を高めるストレッチは、関節や筋肉の可動域を広げ、正しい姿勢を保ちやすくします。特に、肩、胸、股関節周りを意識的に伸ばしましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動
全身の血行を促進し、筋力維持にもつながります。正しいフォームを意識して歩くことが大切です。
最後に
姿勢の悪化は、年齢による自然な変化と諦めてしまうのではなく、日々の意識と努力で改善できる可能性があります。
今回ご紹介した対策を参考に、ぜひ今日から姿勢改善に取り組んでみてください。もし、痛みや不安がある場合は、遠慮なく松井整形外科にご相談ください。
皆様が健康で快適な毎日を送れるよう、サポートさせていただきます。