愛知県安城市で整形外科・内科・リハビリテーション科の診療を行う松井整形外科「お知らせ・コラム」ページ

MENUCLOSE

News

お知らせ・コラム
 

2024.05.30

コラム

子供の骨折:症状、原因および治療法

こんにちは。
愛知県安城市の松井整形外科です。今回は、「子供の骨折」について解説します。

子どもの骨折は遊びを通して起こりやすい外傷の一つです。成長期にある子どもたちの骨は柔軟で弾力性があり、成人に比べて骨折しにくい一方で、一度骨折すると特有の症状を示すこともあります。このコラムでは、小児の骨折について、よくある症状、原因、および治療法について解説します。

小児の骨折の症状

痛みと腫れ

骨折の最も一般的な症状は痛みと腫れです。骨が折れた部分に激しい痛みが生じ、その周囲が腫れます。子どもは痛みのためにその部分を動かそうとしないことが多いです。

変形

骨折部位が明らかに変形している場合があります。例えば、腕や足が通常とは異なる角度になっている、あるいは不自然な形になっている場合があります。

内出血と皮下出血

骨折により周囲の血管が損傷されると、内出血や皮下出血が起こることがあります。皮膚の下に血液がたまり、青紫色のあざができることが多いです。

普段と違う動き

骨折した部位の機能が制限されるため、通常の動きができなくなります。例えば、腕の骨折では物を手で持とうとしなかったり、足の骨折では片方の脚に体重をかけられないことが見受けられます

また、症状について日本整形外科学会のホームページでは下記のように説明されています。

※1
子どもから痛みの訴えがあったとき、親は「歩けるから大丈夫」、「関節が動くから骨折していない」などと自己判断しないで、「触ると泣く」、「手を使わない」、「足に体重をかけられない」などの症状があれば、骨折を疑って整形外科を受診しましょう。特に乳幼児では、腫れが少なかったり、骨折していない部位の痛みを訴えたりすることもあり注意が必要です。

※1 日本整形外科学会 一般の方へ 症状・病気をしらべる 「小児の骨折」 症状 2024.5.21

 

小児の骨折のよくある原因

転倒や落下

子どもたちは日常生活の中で活発に動き回ります。そのため、遊び場や学校での転倒や落下が原因で骨折することが多いです。特に、高い場所から落ちた場合や走り回っている際に転んだ場合には、骨に大きな衝撃が加わることがあります。

スポーツや運動

スポーツ中の事故も骨折の主要な原因です。特に、サッカーやバスケットボール、野球などの身体が接触するコンタクトスポーツや、はやりのスケートボードなどのアクティビティでは、骨への衝撃、負担がかかりやすいです。

家庭内の事故

家の中での事故も見逃せません。家具からの転落や滑りやすい床での転倒など、日常生活の中で思いがけない事故が起こり得ます。特に小さなお子様では、靴下を履いたまま走ったり、遊んだ後の折り紙などで滑って転倒するリスクが高くなってしまいます。

 

小児の骨折の治療法

応急処置

骨折が疑われる場合は、まずその部分を動かさないように固定することが重要です。即座に冷やすことで腫れを軽減し、痛みを和らげることができます。アイスパックを使用する際には、直接肌に当てず、タオルなどで包んで使用しましょう

診断と整形外科医の受診

骨折の診断にはX線撮影が一般的に行われます。整形外科医による診察を受けることで、骨折の種類や程度が正確に判断され、適切な治療法が決定されます。

ギプスや固定具の使用

骨折の治療にはギプスや固定具を使用して骨を安定させ、適切な位置で治癒させる方法が取られます。これにより、骨が元の位置に戻り、正常な形で再生することが期待できます。

リハビリテーション

骨が回復する過程で、リハビリテーションの実施が重要です。理学療法士や作業療法士の指導のもと、筋力を回復させ、関節の柔軟性を取り戻すための運動が行われます。これにより、日常生活への早期復帰が可能となります。

治療法についても、日本整形外科学会のホームページでは下記のように説明されています。

※2
治療には保存療法と手術療法があり、X線所見を参考にして治療法が選択されます。

関節周囲の骨折以外は自家矯正が期待できるので、通常は徒手整復による保存療法が行われます。血管損傷や神経損傷がないことを確認して、ギプスなどで固定します。成長期は骨が癒合しやすいので、1~2カ月たてば安定します。
整復後に変形が残ったり骨折部が離れたりしていても、軽度なら心配することはありません。自家矯正力が高いのが小児の骨折の特徴です。

不安定な関節周囲の骨折や大きく転位した骨折では、入院して持続牽引を行ったり、経皮ピンニング手術を行ったりします。

※2 日本整形外科学会 一般の方へ 症状・病気をしらべる 「小児の骨折」 治療 2024.5.21

 

小児の骨折予防

安全な環境の整備

家庭内外での安全対策を徹底しましょう。遊び場や学校では、滑りにくい床材の使用や遊具の定期的な点検が必要です。また、自宅では階段にゲートを設置したり、家具の角を保護するクッションを付けるなどの工夫を行いましょう。

適切な装備の着用

スポーツやアウトドア活動を行う際には、ヘルメットやプロテクターなどの防具を着用させることが重要です。特に、自転車やスケートボードなどの遊びでは、頭部や関節を保護する装備をなるべく着用するように促しましょう。

交通安全教育

子どもたちに道路の安全ルールを教えることも大切です。横断歩道を渡る際や、自転車を使用する際には、交通ルールを守るよう指導しましょう。

栄養バランスの取れた食事

骨の健康を維持するためには、カルシウムやビタミンDなどの栄養素が欠かせません。バランスの取れた食事を心がけ、骨の強化を図りましょう。

最後に

小児の骨折は、日常生活や遊び、スポーツ活動の中で頻繁に起こる外傷の一つです。適切な予防策を講じることは重要ですが、万が一骨折してしまった場合には、速やかな応急処置と整形外科医の受診が必要です。子どもたちが元気に活動できるよう、安全な環境づくりと適切なケアを心がけてください。

このコラムが、保護者の方々や教育関係者の方々にとって、子どもの骨折についての理解を深める一助となれば幸いです。子どもたちが健やかに成長できるよう、皆でサポートしていきましょう。

smile and support by 松井整形外科