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2024.05.23

コラム

【テニス肘】原因や対策 まとめ

こんにちは。
愛知県安城市の松井整形外科です。今回は、よく耳にする『テニス肘』について解説します。

読者の悩み
・テニス肘ってなに?
・テニス肘と診断されたけど、どうしたらいい!?

こういったお悩みにお答えします。

この記事を書いている筆者は、リハビリテーションの国家資格である作業療法士として15年の経験を持ち、現在も毎日リハビリテーションを実施しています。今回もこういった筆者が解説していきます。

【テニス肘】原因と対策 まとめ

はじめに

テニス肘、正式には外側上顆炎(がいそくじょうかえん)といい、肘の外側に痛みを引き起こす障害です。テニスをはじめとするスポーツや反復的な動作が原因となることが多いこの症状は、日常生活や仕事に影響が出ます。本コラムでは、テニス肘の原因や症状、予防策、治療方法の一例について解説します。

テニス肘の原因

過度な繰り返し動作

テニス肘の主な原因は、手首や前腕の筋肉・腱を過度に使用することです。特に手首を伸ばす動作が多い活動が原因となりやすいです。テニスのストロークが典型的な例ですが、他にもゴルフ、野球、バドミントン、さらにはペンや工具の使用など、日常の様々な動作が影響すると考えられます。

間違ったな技術や用具

スポーツにおいては、間違った技術、誤った用具の使い方もテニス肘のリスクを高めます。例えば、テニスラケットのグリップが適切でない場合、硬すぎるラケットを使用した場合など、肘に過度の負担がかかることがあります。また、フォームの問題も同様に影響します。

年齢と筋力の低下

年齢を重ねると筋力や柔軟性が低下し、腱や筋肉が損傷を受けやすくなります。特に40歳以上の方は注意が必要です。腱や筋組織の回復力が低下し、微細な損傷が蓄積しやすくなります。

テニス肘の症状

テニス肘の症状は主に肘の外側の痛みとして現れます。以下のような症状が特徴的です。

肘の外側の鋭い痛み

物を持ち上げる、握る、ねじる動作をする際に痛みを感じやすいです。

手首を伸ばす動作での痛み

ドアノブを回す、タオルを絞るなどの日常動作が困難になることがあります。

触れると痛い部分がある

肘の外側を触れると痛みが強まることがあります。

テニス肘の予防策

正しいフォームと技術

スポーツや日常動作において、正しいフォームと技術を習得することが重要です。テニスのバックハンドストロークでは、手首を使いすぎないようにし、肩や体幹を使って打つようにすることで肘への負担を軽減できると思います。

適切な用具の選択

ラケットや道具の選択にも注意が必要です。適切なグリップサイズやラケットの柔軟性を選ぶことで、肘への負担を減らすことができます。また、定期的に道具をチェックし、必要に応じて交換することも予防につながります。

筋力トレーニングとストレッチ

前腕の筋力を強化し、柔軟性を高めることも有効です。

  • 前腕の筋力トレーニング:軽いダンベルやゴムバンドを使って、手首を屈曲・伸展するエクササイズを行います。
  • ストレッチ:手首の屈筋・伸筋のストレッチを定期的に行い、筋肉の柔軟性を維持します。
適度な休息

繰り返し動作を長時間続けることは避け、適度な休息を取ることも大切です。特に痛みを感じ始めたら、すぐに休息を取ることで症状の悪化を防ぐことができます

テニス肘の治療方法

自己管理と生活の工夫

軽度のテニス肘は、自己管理や生活の工夫で改善することもあります。

  • アイシング:痛みや炎症を抑えるために、1日数回、15-20分間肘を冷やします。
  • 休息:痛みの原因となる活動を一時的に中止し、肘を安静に保ちます。
理学療法士によるリハビリ

理学療法士によるリハビリ治療も効果的。理学療法では、ストレッチ、筋力トレーニングを組み合わせたプログラムが行われ、肘の回復をサポートしています。個々の症状に応じた最適な治療法を提案します。

サポート用品の使用

サポートバンドなどを使用することで、肘への負担を軽減し、痛みを和らげることが期待できます。これらのサポート用品は、特に痛みが強い時期に検討しましょう。

また、日本整形外科学会のホームページ内でも予防と治療について記載されていますので、ご紹介いたします。


まずは保存療法を行います。

保存療法

1. 手首や指のストレッチをこまめに行います。
2. スポーツや手をよく使う作業をひかえて、湿布や外用薬を使用します。
3. 肘の外側に局所麻酔薬とステロイドの注射をします。
4. テニス肘用のバンドを装着します(装着方法などは主治医にご相談ください)。

注射法注射法
テニス肘用バンドテニス肘用バンド

保存療法が無効な場合には、手術療法を行うこともあります。

手術療法

筋膜切開術、切除術、前進術、肘関節鏡視下手術などがあります。

※日本整形外科学会 一般の方へ 症状・病気をしらべる 「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」 予防と治療 2024.5.16

最後に

テニス肘はもちろん、他の関節でも痛みを感じたら早めに休息を取り、適切な治療を受けることが重要です。ご自身の工夫で改善が困難な場合は、整形外科など専門医を受診し、理学療法士によるリハビリなど、症状に応じた最適な治療を受けましょう。

当院としても、症状が重度化する前になるべく早く対策をしてほしいと常々思っています。今の症状にお困りであれば、いつでもご相談ください。『早期改善と予防のために、「今」のあなたに必要な医療を提案』をモットーに、地域の皆様のサポートをさせていただきます。

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