こんにちは。
愛知県安城市の松井整形外科です。今回は『関節リウマチ』について、その症状や治療法、日常生活上で注意すべきことなどを簡単に解説しています。関節リウマチに悩まれている方、関節リウマチを疑う症状で困っている方のご参考になれば幸いです。
過去コラムもチェック↓
指や手首に関わる整形外科的疾患:6つの症状と原因解説☜クリック
この記事を書いている筆者は、リハビリテーションの国家資格である作業療法士として15年の経験を持ち、現在も毎日リハビリテーションを実施しています。今回もこういった筆者が解説していきます。
関節リウマチについて知ろう!
関節リウマチは、関節の慢性的な炎症を引き起こす自己免疫疾患です。この疾患は日常生活に大きな影響を与える可能性がありますが、正しい管理をすることで、その影響を軽減できる場合があります。以下では、関節リウマチの症状、日常生活での注意点、そして一般的な治療法について解説します。
症状の特徴
関節リウマチの症状について詳しく見ていきます。下記は、日本整形外科学会のサイト内で説明されている詳しい解説です。まずは関節リウマチがどのような症状を有するかを把握しましょう。
※1最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、とくに朝、こわばるようになります。また、人によっては膝関節や股関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。
どの年代でもおこりますが、特に30~40歳代の女性に多く発症します。軽症の人もいれば重症の人もいて症状も多彩です。
早めの診断・治療が必要です。
関節リウマチは、関節だけの病気ではなく全身病ですので、貧血症状がでたり、体がだるくなったり、微熱がでることもあり、こうなると症状が悪化します。
全身の関節に進行していく病型の患者さんの場合、指や手首の関節が破壊され、指が短くなったり、関節が脱臼して強く変形することがあります。足のゆびにも変形がおこります。
全身の関節に進行していく病型の患者さんの場合、一番こわいのは、首の一番上の部分で背骨が前にずれてしまい、脊髄が圧迫され、手足が麻痺したり、呼吸がしにくくなる場合があることです。
※1日本整形外科学会 一般の方へ 症状・病気をしらべる 「関節リウマチ」 症状より 2024.3.29
日常生活での注意点
次は日常生活上で注意、意識すべき内容を4つにまとめています。基本的なことばかりですが、関節リウマチは病態を理解し、規則正しい生活を行うことが大切です。
1適切な休息と運動のバランス
適度な運動は関節の柔軟性を保ち、炎症を軽減するのに役立ちますが、無理な運動は逆効果です。運動においては、なるべく関節を動かさずに筋肉を収縮させる、アイソメトリックトレーニングが効果的です。適切な休息と運動バランスを保つことが重要となります。
2関節の保護
関節に負担をかけるような動作や姿勢は避け、関節を守るための工夫をすることが大切です。また、関節保護具を使用するなど、ご自身が普段の生活で酷使しやすい関節を把握し、適切な保護具を活用しましょう。保護具の使用は専門医に相談することをお勧めいたします。
3ストレス管理
ストレスは関節リウマチの症状を悪化させる可能性があるため、ストレスを管理することも重要です。リラックスするための方法やストレス軽減のテクニックを学ぶことが役立ちます。
4バランスのとれた食事
健康的な食事は免疫機能を支援し、炎症を軽減するのに役立ちます。糖質や脂質の取りすぎには注意し、体重を増加させないバランスの取れた食事や、関節に良いとされる栄養素を積極的に摂取するように心がけましょう。
治療法
一般的な治療法についての説明です。治療法についても、日本整形外科学会のサイト内でしっかり説明されています。ぜひ参考にしていただきたいです。
※2
・予防
原因が不明なため有効な予防法はありませんが、症状を悪化させないためには適切な休養と栄養が重要であることは明らかになっています。
・治療
関節リウマチでは早期の治療が大切です。
治療は薬物療法が基本であり、抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤を基本として、症例によってはステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤が用いられます。補助療法として、ステロイド剤やヒアルロン酸製剤の関節内注射が行われることもあります。リハビリテーション・理学療法も有効です。
手や足の周囲だけで比較的軽く経過する場合が多いのですが、長い間に全身の関節に炎症が進み、最後には関節やときには背骨の手術が必要になる場合もあります。
また、指の仲筋腱が断裂して手術が必要になることもあります。
関節リウマチは慢性的な疾患であり、完全に治癒することは難しいですが、適切な治療と日常生活での注意を通じて、症状の管理や進行の遅延が可能です。定期的な医師の診察や治療計画の実施が重要です。
※2日本整形外科学会 一般の方へ 症状・病気をしらべる 「関節リウマチ」 予防と治療より 2024.3.29