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2024.02.08

コラム

骨粗しょう症と運動:整形外科のリハビリテーション専門職が解説

こんにちは。愛知県安城市にある松井整形外科です。今回は「骨粗しょう症」について書いていますので、ご参考になれば幸いです。

✓読者の悩み
・そもそも骨粗しょう症って何?
・骨粗しょう症の原因って何?
・骨粗しょう症には運動が大切なの?

こういったお悩み、疑問にお答えします。

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この記事を書いている僕は、リハビリテーションの国家資格である作業療法士として15年の経験を持ち、現在も毎日リハビリテーションを実施しています。

骨粗しょう症と運動:整形外科のリハビリテーション専門職が解説

骨粗しょう症は、骨の密度が低下し、骨がもろくなる状態を指します。この症状は、特に加齢とともに進行し、骨折などの2次的な怪我を引き起こす可能性があります。しかし、適切な運動は骨粗しょう症の予防や改善に役立つと考えられます。

骨粗しょう症の基本知識

症状
骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。
骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。

原因と病態
からだの中の骨は生きています。同じように見えても、新たに作られること(骨形成)と溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることでおこり、骨がスカスカになってきます。骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。

「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp) 2024.2.5

原因としてはこれら以外にも、日頃の食事や栄養バランス、運動習慣の有無、過度の喫煙や飲酒など、生活習慣も大きく関係することがわかっています。

運動と骨粗しょう症の関係

運動は骨の密度や強度を向上させるために重要です。特に負荷をかける運動(ウェイトトレーニングや筋トレ)は骨を刺激し、骨密度を増加させる効果が期待できます。また、有酸素運動も骨粗しょう症のリスクを低減すると考えられています。

  1. ウェイトトレーニング

    ウェイトトレーニングは、骨に負荷を与えることで骨密度を増加させる効果があります。特に重りを使ったスクワット(屈伸運動)など、下半身の大きな筋肉を使うエクササイズは効果的です。ウェイトを使ったトレーニングは筋力だけでなく、骨の強度も向上させるため、骨粗しょう症の予防に有効です。

  2. ウォーキングやジョギング

    有酸素運動も骨粗しょう症の予防に役立ちます。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、筋トレと同様に、骨に負荷をかけることで骨密度を増加させる効果があります。また、有酸素運動は心臓や血管の健康も促進するため、全身の健康にも良い影響を与えます。

  3. ヨガやピラティス

    ヨガやピラティスは、柔軟性やバランスを改善するだけでなく、筋力も強化する運動です。特に、体幹の筋力を鍛えるエクササイズは骨粗しょう症の予防に効果的です。これらの運動は負荷をかけすぎずに行うことができ、関節への負担も少ないため、骨粗しょう症のリスクがある方にも取り組みやすいと思います。

  4. 水泳や水中エクササイズ

    水中での運動は、関節や筋肉に負担をかけずに全身の筋力を鍛えることができます。水中では重力が軽減されるため、怪我のリスクが低く、骨粗しょう症の方や関節痛のある方にも適しています。そのため、水泳や水中ウォーキングなどの水中エクササイズは、骨粗しょう症の予防や改善に役立ちます。

  5. バランストレーニング

    バランスを保つためのトレーニングは、骨粗しょう症の予防に重要です。バランスボードやボールを使ったエクササイズ片足立ちなどのバランスを鍛える動作は、転倒や骨折のリスクを減少させる効果があります。バランストレーニングは筋力だけでなく、身体のバランス能力も向上させるため、日常生活での転倒リスク軽減など、怪我の予防にも役立ちます。

運動の注意点

運動は骨粗しょう症の予防や改善に有効ですが、注意が必要です。高負荷の運動は骨折のリスクを増加させる場合があるため、個々の体力や健康状態に応じて適切な運動を選択することが重要です。また、過度な運動はむしろ逆効果になることもあるため、適度な運動量を守ることが必要です。

当院での検査、治療

当院では、骨粗しょう症が疑われる方が来院された際には、まず骨粗しょう症に起因する骨折(大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折など)を過去にしたことがあるかを確認します。その後、骨密度検査を施行し、その結果骨密度が低値である場合は採血を行いどのような原因で骨粗しょう症になっているかを調べるようにしています。

過去の骨折の有無、骨密度、採血結果や内科疾患(慢性肝疾患、慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、ステロイド使用経験など)を総合的に考慮して、たくさん有る骨粗しょう症の薬の中からその方に必要な薬を選択します。

もちろん、必要に応じて運動の提案や指導なども行っています。

まとめ

骨粗しょう症は骨の健康に影響を及ぼす疾患ですが、運動はその予防や改善に有効な方法の1つです。適切な運動は骨密度を増加させ、骨の強度を向上させることができます。

しかし、運動を行う際には適切な負荷や頻度を考慮し、体力や健康状態に合わせて行うことが大切です。専門医である整形外科医との相談を通じて、適切な運動プランを立て、骨粗しょう症の適切な治療を受けることをお勧めします。

当院としては、重症化する前になるべく早く対策をしてほしいと常々思っています。今の症状にお困りであれば、いつでもご相談ください。早期改善と予防のために、「今」のあなたに必要な医療を提案』をモットーに、地域の皆様のサポートをさせていただきます。

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