2023.12.21
コラム
膝の痛みを予防・軽減するための運動ガイド
こんにちは。
愛知県安城市にある松井整形外科です。今回は、膝関節の痛みで悩む方に向けた記事を書きました。膝の痛みは多くの人にとって悩みの種ですが、正しい筋トレを行うことで予防や軽減が可能な痛みもあります。今回は、膝の健康を維持するために鍛えるべき主要な筋肉と、効果的なトレーニング方法について解説します。
✓読者の悩み
・最近膝の痛みが気になる・・
・筋肉をつけようって言われるけど、どうしたら良い・・?
こういったお悩み、疑問にお答えします。
※他の症状などにお困りの方はこちらもチェック
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✓本記事の内容
1. 膝の構造と基本的な原因
2. 鍛えるべき筋肉の場所
3. 効果的なトレーニング方法
この記事を書いている僕は、リハビリテーションの国家資格である作業療法士として15年の経験を持ち、現在も毎日リハビリテーションを実施しています。今回もこういった僕が解説していきます。
1. 膝の構造と基本的な原因
膝は複雑な構造を持っており、骨、靭帯、軟骨、筋肉が連携して正常な動きをサポートしています。膝の痛みの主な原因は、筋肉の不足や不均衡、関節の不安定性、炎症などが挙げられます。
膝の痛みで最も多いであろう状態が、「変形性膝関節症」です。
男性よりも女性に多い印象です。
変形性膝関節症になりやすい主な要因はこちら
〇加齢による関節の老化
〇膝のケガ
〇体重増加、肥満
〇膝の変形 O脚
〇膝の酷使
ちなみに、下半身には体重以上の重みが加わります。体重が1kg増えると、片膝への負担は3~5kg増えると言われています。
このような要因から、軟骨がすり減ることで摩擦が起こり、痛みが生じます。
2. 鍛えるべき筋肉の場所
大腿四頭筋
2.1 大腿直筋(前もも)
- 膝を伸ばすための主要な筋肉。
- スクワットやレッグプレスなどの押し上げ系のエクササイズが効果的。
2.2 内側広筋(太もも内側)
- 内側の筋肉群を強化することで、膝関節の安定性を向上。
- 膝を伸ばしきる時に最も筋力を発揮。下記動画を参考にしてみてください。
2.3 外側広筋(太もも外側)
- 外側の筋肉を強化することで、膝関節の安定性を向上。
- サイドレッグレイズやゴムバンドを使用した外転運動が効果的。
2.4 ハムストリング(後ろもも)
- 膝を曲げる動作に関与し、バランスを保つのにも重要な筋肉。
- 重りを足首に巻いて膝曲げ運動(レッグカール)などがこの筋肉を鍛えるのに効果的。
2.5 脛骨筋(下腿部)
- 膝を安定させ、足首のサポートにも寄与します。
- カーフレイズや足首の柔軟性を向上させるエクササイズが重要です。
3. 効果的なトレーニング方法
3.1 ウォームアップの重要性
- 筋トレ前に十分なウォームアップを行い、血流を促進して筋肉を準備しましょう。
- 軽い有酸素運動や動的ストレッチが適しています。
3.2 バランスを重視したトレーニング
- 偏らず全ての筋肉をバランスよく鍛えることが重要です。
- 特に、前ももと後ろもも、内側と外側の筋肉のバランスを考慮したプログラムを組むと良いでしょう。
3.3 低負荷、高反復のアプローチ
- 高負荷のトレーニングよりも、低負荷で高い反復を行うことで筋力向上だけでなく、関節の柔軟性も向上します。
- 軽量のウェイトを使った多彩なエクササイズが適しています。
3.4 適切なフォームの確認
- 姿勢やフォームに注意を払い、正しくトレーニングを行うことで怪我のリスクを低減できます。
- 専門職の指導を受けるか、動画などを参考にすると良いでしょう。
3.5 休息とリカバリーの重要性
- 過度なトレーニングは逆効果です。十分な休息とリカバリーを確保しましょう。
- 筋トレと同様にストレッチやマッサージも効果的です。
リハビリテーション専門職の活用
膝関節の為の運動に関わらず、自身で適切な運動を行うことはやや難易度が高いと思う方もいらっしゃると思います。具体的にどうのようなフォームで行うのが適切か?そんな疑問を解決するには、理学療法士などリハビリテーション専門職にアドバイスを仰ぐことが重要になります。膝の痛みを考慮した、正しいトレーニング方法などアドバイスを受けることができます。
運動を行う前にまず受診
膝の痛みが慢性的に続いている場合は、運動を行う前に、まずは医師の診察を受けることが重要です。膝の痛みは他のケガと同様で、放置すればそれだけ日常生活への支障も大きくなります。適切な治療とアドバイスを受けて、早期改善を目指すことがご自身の生活を保持するこに直結します。
当院では
当院では診察やレントゲン等で状態を評価し、正しい診断が出来るよう努めています。症状や状態に応じて、MRIやエコーも活用しながら、症状の原因究明を行っています。治療においても、お薬の処方、ヒアルロン酸やステロイドなどの関節注射、リハビリテーション専門職による徒手療法や運動療法、物理療法などその人、その症状に応じた治療プログラムを提案しています。
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最後に
膝の痛みを予防・軽減するためには、バランスの取れた筋力トレーニングが不可欠です。定期的な休息と回復をしっかり取り入れながら、大腿四頭筋から脛骨筋まで、正しいトレーニング方法を実践することが重要です。そのためには、リハビリテーション専門職などの指導を仰ぐことも大切な要点になります。
当院としては、重症化する前になるべく早く対策をしてほしいと常々思っています。今の症状にお困りであれば、いつでもご相談ください。『早期改善と予防のために、「今」のあなたに必要な医療を提案』をモットーに、地域の皆様のサポートをさせていただきます。
smile and support by 松井整形外科